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全日本薬膳食医情報協会

【健全な食生活と健康について考える。】
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もともと、料理に興味があった私は、家族や自身の健康を守るため食と健康という視点から薬膳の世界に入りました。料理教室や講演活動を通じて参加者の皆様に薬膳を取り入れた健康レシピを紹介する傍らで、地元の県や市が主催する食育や食の安全安心をテーマにした専門委員会にも公募委員として参画し、学校給食のあり方や食の安全ついて一消費者の立場から意見を述べたこともあります。

健全な食生活により人は健康を維持できると考えます。では、健全な食生活とはいったい何でしょう?

 

薬膳を取り入れる以前の問題

薬膳を考える前に、今、皆さんは健全な食生活をしているでしょうか?

 私がある調査で目にしたある人(20代OL)のある日の食事です。

朝:パンとコーヒー、昼:コンビニ弁当、夕食:仕事帰りの居酒屋で一杯。朝は食べない日も半々だそうです。同様の話が、農林水産省が公表した2018年度版の食育白書でも、20~30代の若い世代で朝食を「ほとんど食べない」と答えたのは17.9%で、前年度より3.1ポイント増加し、「週に2~3日しか食べない人」も9.0%で、合わせて3割近くが朝食を抜きで、パワー不足のまま1日をスタートしていることになります。子どもたちの朝抜きも相変わらずで、「早寝・早起き・朝ごはん」というスローガンを掲げて様々な取り組みをしてきたにもかかわらず、朝食欠食は近年、増加傾向にあります。過去の調査によれば、朝食を食べない理由は小学生、中学生とも「食べる時間がない」「食欲がない」がそれぞれ約4割。また、就寝時間が不規則な家庭ほど朝食を食べない傾向があるそうです。

また、子どもたちの食生活ということで、欠食以上に問題なのは清涼飲料水(ジュース)を多飲することです。これらは、ほぼ砂糖水です。

例えば、世界的に有名なある炭酸飲料の食品表示には、「糖類(果糖ぶどう糖液糖、砂糖)、炭酸、カラメル色素、酸味料、香料、カフェイン」と書かれています。これを見ると、砂糖が多く入っていることがわかります。では、この飲料100mLあたりに、砂糖は何g入っているかわかりますか?なんと、100mL中に、11.3gもの砂糖が含まれています(メーカーHPの情報引用)。ペットボトル1本(500mL)で56.5gとなります。ちなみにWHO(世界保健機関)は、「成人の1日あたりの砂糖摂取量は25g程度までが望ましい」との指針を発表しているので、これを1本飲みほすだけで、即、砂糖の大量摂取となっている状態なのです。

砂糖は、太る、虫歯といった害だけではなく、脳への影響も計り知れません。精製された砂糖が一気に体内に入ると、血糖値は急上昇します。すると、膵臓は、過剰反応を起こして、大量のインスリンを分泌し、血糖値は逆に低く落ち込んでしまいます。これが低血糖症です。清涼飲料水に入っている砂糖は、体内で分解されるときにビタミンB1と複数のミネラルを大量に消費します。砂糖を一度に大量に摂取したり、継続的に摂取することによって、骨や歯などに含まれているミネラルまで奪って砂糖を分解しようとします。実際に、ネズミに清涼飲料水を飲ませた実験では、骨が解けて脆くなる現象が確認されているそうです。ネズミの話はさておき、砂糖の過剰な摂取は、人にとってもたくさんのビタミン類やミネラルが失われることになり、精神が不安定、気分が落ち込む、イライラする、キレやすいといった症状が現れると言われています(清涼飲料水をがぶ飲みする子どもがキレやすいという根拠がこれらしいです)。また、カルシウムやマグネシウム、亜鉛などのミネラルは子どもの成長や骨の健康を維持するうえでも欠かせません。

まずはしっかりと食べることからはじめよう!

 これまで、料理教室や講演を通じて食育の活動をしてきました。そこでは「朝食はきちんと食べる。できたらメニューに五味五色を取り入れること。飲み物は水かお茶にして、できるだけカロリーのあるものは摂らないこと。夜9時以降の食事は控えること」等々に力点を置いてできるだけシンプルに話をしています。参加者の皆様には、食べることに正しく関心を持ってもらいたいので、難しい話は出来るだけしないように心がけています。よく言われている「偏食はしない」とか「バランスの良い食事」、さらには、かなり昔に言われていたのような「1日30品目」(今は「食事バランスガイド」となりハードルは相当下がりました)なんて理想論を語っても「じゃあ、どうしたらいい?」という話なるだけでしょう。「これなら私でもできそう!」「早速、今日から始めてみよう!」と思っていただけるレシピも含めた具体的な提案も織り交ぜた話をするように心がけています。

 

子どもの食事について考える 

子どもたちの肥満は増加しています。これまでも言われている通り、食習慣の変化いわゆる“食の欧米化”が原因です。“食の欧米化”と言うとまず“魚中心から肉中心への変化”ととらえる方も多いと思います。それもありますが、肥満増加の主な原因はジャンクフードにあると思います(ジャンクフードには、ハンバーガーなどのファストフードだけでなく、ドーナッツ、ポテトチップス、ポップコーンなどのスナック菓子全般や先ほど述べた砂糖入りの清涼飲料水も含まれます)。これらのジャンクフードを「欲しくなってつい食べてしまう(飲んでしまう)」、「食べ始めると止まらない」(「やめられない、止まらない」という某スナック菓子の宣伝文句の通り)という経験をした方は私を含め、かなりおられるのではないでしょうか?ジャンクフードを食べ続けると薬物中毒にも似た“ジャンクフード中毒”とも呼ぶべき状況になる可能性があるとのことです(ネズミを使った研究結果があるようです)。

どのジャンクフードに言えるのは、いずれも砂糖と油脂にまみれていることです。人間の脳は砂糖と油脂を美味しく感じるようにできているそうなので、好きなものを好きなだけ食べるという自由な状況に置かれれば、自然と食生活は乱れ肥満になると言えます。では、これらを全て断ち切ることが出来るかといえば、答えはノーです。現代ではジャンクフードの全くない食生活は考えにくいのですが、可能な限り減らしていくようにするしかないと考えます。減らすためには、例えば、油脂の多い菓子類や清涼飲料水の買い置きをしないとか、飲み物は意図的に麦茶や水、最悪でもノンカロリーの商品に置き換える。揚げ物の回数を減らして煮物や焼き物に調理方法を変更する。朝食は必ずご飯とみそ汁をメインに海苔や納豆など簡単な副食物の一汁一菜程度のものにしてみる等々、そう難しく考えなくても簡単にできることはたくさんあります。

 

メディアによる健康情報の氾濫!

 雑誌、新聞、テレビ、ラジオ、更に、この頃はインターネットと様々なメディアを通じて健康情報が発信されています。テレビ番組で「○○食べて血液サラサラ」、「高血圧には××が効果的」「△△食べると脂肪燃焼」等々。そして放映された翌日には、スーパーの店頭から○○や××、そして△△が姿を消すという光景が何度も繰り返されてきました。

そもそも、特定の食べ物だけに絶大な効能効果を求める考え方自体が間違っているのです。その証拠に全てが一過性のブームで終わりました。毎度のことですが、あれは一体何だったのかという思いが残ります。また、同じ食品でも、健康のために食べましょう(飲みましょう)という先生がいる一方で、いやいや食べては(飲んでは)いけないという考えを述べる先生もいます(牛乳が典型例です)。氾濫する健康情報の渦の中にいる私たち消費者に求められるのは、情報を的確に読み解く力だと考えます。

健康情報を読み解く際には、その情報に根拠(エビデンス)があるかどうか、発信者がどんな立場の方なのか?(中立性があるのか?そもそも商品の利害関係者は、いい話しかしません!)、紹介されている例示が動物実験なのか人の研究なのか、人の研究の場合、対象者(人数、国や地域、性・年齢、健康状態など)は誰なのか、どのような手法で研究したのかなどに注意する必要があると考えます。情報を正しく読み解くためには、数字は大事ですが、その数字にもトリックが潜んでいることがあるので騙されないように注意して欲しいです。また、使う人の生活習慣や個人差など複合的に考える必要があります。さらに、自分がいま心身ともに冷静かどうかを見極めることも重要です(実際に末期がんに侵されて追い詰められた状態なら、がんに効くと言われれば飛びついてしまいます。催眠商法のようにその場の勢いに乗せられて買ってしまう場合もあります)。

 ブームに躍らされることなく、冷静に物事を見聞きして判断することは、食に限った話ではありません。家の中にテレビショッピング等で宣伝されている商品がたくさんある方は要注意です。

 

薬膳を取り入れた簡単メニュー

 長らく教室を通じて薬膳の普及をしてきました。ポイントは、スーパーで手に入る食材で誰にでも簡単にできる薬膳料理です。薬膳理論の最も基本は五味五色と言われます。身の回りにある品目で考えるとどうでしょうか?例えば

・五味(酸味:梅干し・酢、苦味:ウド・筍、甘味:トウモロコシ・サツマイモ、辛味:大根・生姜、鹹味:昆布・ヒジキ)

・五色(青:ほうれん草・小松菜、赤:人参・トマト、黄:カボチャ・卵黄、白:白米・大根、黒:黒ゴマ・黒豆)

 どれも特別な品物ではありません。無理して多種多様な品目を欲張るなどという大袈裟なことも考える必要はありません。限られた品目だけでも五味五色を組むことは十分できます。

3年前にご縁をいただき、地元兵庫県の出版社から料理本を出版させてもらいました。本に掲載した100のレシピは「時短・簡単」をモットーにご覧いただいた方が、手軽にスーッと入ることができるものを選びました。この場をお借りしていくつか紹介いたします。

 

オクラのお粥

・材料 (2~3人分)    ・作り方

   米・・・・・1/2合      1 米はといでザルにあげておく。

   オクラ・・・2本       2 オクラは洗って、ヘタを取り小口切にする

   水・・・・・800mL     3 鍋に米、水、オリーブ油を入れ、蓋をして中火

   オリーブ油・小さじ1      にかける。沸騰したら弱火にして、蓋を少し

   塩・・・・・少々        ずらして、時々混ぜながら約20分火にかける。

                 4 オクラを加え2分ほど煮て、塩で味を調え盛りつける。

ニラと納豆のチゲ

・材料(2人分)         ・作り方

    だし汁・・・・400mL    1 鍋にだし汁400mLを入れて中火にかけ、

    ニンニクノすりおろし      煮立ったら、Aで調味する。

      ・・小さじ1/2         2 えのきは石づきを除き、半分の長さに切る。 

   A 味噌・・大さじ2      ニラは洗って3cmの長さに切る。

    コチュジャン・・大さじ1      3 1に2、納豆を加え、さっと煮る。

    粉唐辛子・・・小さじ1

    えのき茸・・・1/2袋

    ニラ・・・・・1/3束

   納豆・・・・・2パック

 

たくあんと豆のサラダ

・材料(2人分)       ・作り方

   たくあん・・・・60g     1 たくあんは1.5cm角に切る。

   レッドキドニービーンズ(缶)    2 ボウルにたくあん、レッドキドニービーンズ

    ・・・・・・・50g        枝豆を入れて、Aで混ぜる。

   枝豆・・・・・・30g      3 器にサラダ菜又はレタスを敷き、2を盛る。

   マヨネーズ・・大さじ2

  A  醤油・・・・・小さじ1

    わさび・・・・小さじ1/2

   サラダ菜又レタス・・・2枚

 

 (薬膳Any協会理事・朝日さわやかクッキング教室代表:渡部美智余)